市神神社 (いちがみさま)
御祭神 八重事代主命(やえことしろぬしのみこと)
通 称 : ゑびすさま
例 祭 日 1月10日(初市)
ゑびす講大祭 11月23日 熊手市開催
山形の名物である初市は、近郷近在から数万の人々が集まり、縁起物を買って帰るの
が習わしでした。今も昔をしのぶ大きな年中行事の一つです。この初市の中心をなすの
が「市神」です。その御神体は安山岩の自然石で、羽州山形七福神のひとつ「恵比寿
神」としても知られています。
江戸時代に発行された「東講商人鑑」にある当時の山形城下絵図にも十日町四辻にこ
の市神が描かれています。「この石は山形城下の町割をするときのかなめ石であったた
め、これを神聖して市神と崇む」とあり、山形の町にとって大切な石として注連縄を張
り、毎年正月10日に市神を中心として立つ市を「初市」と呼びました。
明治6年(1873)、山形県庁からの布令に基づき「通行人の妨げになる」との理
由から、山形の市神は早速取り除かれました。掘り出した自然石の市神は、当時の
県庁(三の丸跡に所在)へ運ばれたのですが、撤去作業を指揮した県の役人が即日
事故死したため、人々は市神様の崇りだと語り合ったといいます。 市神はその後、
県庁構内に放置され手を触れる者さえありませんでした。しかしその時、県庁舎は
旅篭町(現、文翔館)に新築され移転が決定していました。「県庁が移転すれが市神
だけが残ってしまう」と、旅篭町の人々が相談し、県に願い出て承認を受け、これを
雁島の湯殿山神社境内に移転建立したのです。
現在は湯殿山神社ともに昭和58年に遷座し、商売繁盛の守り神として崇敬されてます。
1月10日のお祭りでは午前9時より縁起物「かぶ」をおわけしております。また、かぶ汁などを振舞って多くの人々で賑わいます。