◆御祭神◆ 須佐之男命(スサノオノミコト)速玉之男命(ハヤタマノオ
ノミコト)
延文3年(1358年)山形城主斯波兼頼公が行蔵院阿闍梨をつかわし、紀州熊野大権現を勧請し城内に祀ったことを草創とします。斯くて行蔵院を別当に補し、社領150石を寄進し、その後元和7年(1622年)最上義俊公の時代、現在地の六日町にご動座され山形城の鬼門鎮護の社として鎮座されました。また、慶安元年(1648年)には、徳川家光公より社領150石の朱印を給与され、徳川幕府の存続と天下泰平・国家安穏を毎年8月15日に祈願されてまいりました。祭祀は代々行蔵院が奉仕してまいりましたが、明治維新の折神仏分離の改革に伴い、明治4年熊野権現を熊野神社と改称し、平成20年には創建650年の節目を祝い、社殿改築、参道・境内整備を行い現在にいたっております。
熊野神社には古来より特殊神事、神宿神事が伝わっております。これは例大祭の前日にご神体の分御霊を氏子の宅に一晩お泊めするというものです。神宿はご神体がお泊ります氏子の家で毎年変わります。選ばれた氏子は光栄であるとともに、末代までの誇りとなります。
まず、前夜祭までに神宿を装飾して、神様を迎える準備をいたします。
8月14日前夜祭では総代・崇敬者30名ほどが参列いたします。
前夜祭の後に分霊を担いで神職・総代・令人などが行列を組み、氏子区域を練り歩き神宿につき神事を行います。神宿では当主に神宿之證が渡されます。神宿にて神事の後、直会をひらいてとり納めます。
次の日に神宿から神社まで行列を組み歩いていき、神社に着き分霊を社殿に納め次第、例大祭の斎行となります。全国でも珍しい神事です。